有名な水彩画家って誰??2

前回投稿した「有名な水彩画家って誰??」https://sisuian.com/1367/
というブログが
とても人気の記事になりましたのでこの度、
二つ目のこの記事でおススメの有名水彩画家を更にご紹介しようと思います!

吉田博(よしだひろし)

まず一人目は日本人で明治時代の画家、吉田博(1876~1950)です。
若い時は水彩画や油彩を極めておられました。
渡米し水彩画展を仲間たちと成功させ、海外の展覧会で完売。
後にそれだけでは飽き足らず日本人としてのアイデンティティを求め
平均35版を重ねる凄まじい独自の浮世絵を確立されました。
浮世絵もすごいのですが
初期の水彩画も写実的でいてかつ詩情がある風景画で素晴らしい描写力と感受性だなと思います。
描写力やスケッチへのこだわりは周りから「絵の鬼」と評されたそうです。
明治時代にこのような革新的な画家がいたことに感動しました。

浮世絵作品はダイアナ妃や精神学者のフロイトにもコレクションされています!
水彩画と版画は全く作業工程が違うのですが
大きく違うのは水彩は輪郭線がないということですね。
吉田博は徹底的に水彩画と油彩画、
つまり西洋画の技法を習得したからこそ
日本の風景画を浮世絵として表現することに
その西洋の技術が生きていると思います。

吉田博は摺師さんと共に浮世絵芸術を作ってきたのですが
色のグラデーションを水彩画や油彩の描写に負けないくらい
表現されていると思います!
水彩画は淡く儚い美しさがありますが
浮世絵は繊細さの中に力強さがありますね!

影の色彩は青緑一色に絞られていて美しいです。
吉田博の版画。水彩とはまた違う迫力ですね!

チャールズ・レニー・マッキントッシュ

マッキントッシュといえばみなさんこの椅子をイメージされる方が多いのではないでしょうか?

チャールズ・レニー・マッキントッシュ(1868~1928)はスコットランドの
建築家、デザイナーで有名ですが
なんと晩年は南仏にて水彩画家として暮らしました。
この椅子はマッキントッシュのデザインのヒルハウスチェア。
マッキントッシュがデザインしたヒルハウスという建物に置くための椅子です。
当時、住宅と家具や食器などが統一され調和した空間づくりを目指したアーツアンドクラフト運動がありそれの一環として作られました。

そしてマッキントッシュの水彩画がこちらです。
さすが元デザイナーや建築家出身の方だけあってただの写生ではなく
デザイン的要素が随所に見られます。

花がどこか人工物のように見えます。
ぼかしをしていない花の濃淡がなんともいえない味を出しています!
私ははじめてマッキントッシュのこの独特の水彩画を見て
衝撃を覚えました。

こんな個性的な水彩画はなかなか真似は出来ないですね!

カール・ラーション

そして最後にご紹介するのは
スウェーデンの水彩画家、油彩画家のカール・ラーション(1853~1919)です。
フランスの印象派に多大な影響を与えたと言われています。
初めは挿絵画家をしていましたが水彩画に外光、自然の光を取り入れた画家です。

カール・ラーションは自身の家族を題材に日常生活の幸せな情景を描き、大変人気があったそうです。
水彩画の特徴としては北欧のお洒落な服や屋内の風景というのもあると思いますが
やや筆圧の強い鉛筆の輪郭線と少しデザイン的な要素が入ってきていますね。
それとスケッチ風な描き込みが薄くなっていくところが密度が高い箇所と
対比されていて逆に魅力的になっていると思います!

水彩画でもこんなに個性的!

今回の第二回目の画家紹介では個性的な方々をご紹介してきました。
水彩画でもこんなに個性が出せるんだと思われませんでしたか??

水彩画は絵の具を薄く塗っていくので
他にメディウムで盛り上げたり
するわけでもなく金箔を貼ったりなどもできず、
個性が出しにくいという印象ですが
こんなに自由でこんなに楽しい作品を過去の巨匠たちが残しています!
やはり過去の素晴らしい作品を残している画家たちに共通しているのは
ひたむきに描き続け、それが魅力になっていっているということです。
元デザイナーや元挿絵画家など、また版画の分野に活かしたりなど
すこし違う分野にいた作家だからこそ
それがデザイン的な要素になって個性になっていたりなど
作品に活かされていると思います!

是非皆さんもこんな過去の巨匠を参考にしていただいて
自身の制作のモチベーションにしてみてくださいね(^^)/

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